動物園

つづき

富士サファリパークに向かった。
前から行きたかった。
朝の晴天はどこへやら、どんよりとした曇り空に変わっていた。
渋滞に巻き込まれ、途中で入った蕎麦屋で待たされ、
ようやく動物園にたどり着いたときには夕方4時半近くになっていた。


この動物園は園内に動物が放し飼いにされており、自家用車で回ることが出来る。
柵や檻に閉じ込めれた動物とは違う、多少なりとも野性の姿が垣間見れるはずと期待した。


動物園までの道と同じく、園内の道路も大渋滞。
ノロノロと猛獣エリアへ入る。


最初は熊だ。


熊。前日渓流釣りをした場所は熊が出没エリアだったらしいこともあり、
はてはてどれほどのものかと見てみると、意外に小さい。
−あれぐらいだったら戦っても勝てるな
28歳のオッサン3人で小学生並みの会話をしていると、
次のカーブを曲がったところで岩のような黒い物体があった。
どうやら最初のは子供だったらしい。
岩のような昼寝中の熊さん。
−あれ勝てる?
−馬鹿いうなよ。あの腕の太さ見てみろよ
wikipediaによると、大きく成長した熊は500キロを超えることもあるそうな。


続いてライオンゾーン。
動物園の最大の目玉スポットだ。
百獣の王とはいえ、所詮はネコの仲間。
いつも昼寝ばかりしている印象があるが、この動物園のライオンは如何に。
目の前を走っていた動物園のシャトルバスが、巨大な四足の黄色い何かにとり囲まれている。
餌付けサービスを目当てに集まってきたライオンたちだ。
これまた大きい。体も大きいが、特に顔面が驚くほどでかい。
正面から見ると、ほとんど顔だ。四足のハンデはあるけど、1.5頭身ぐらいに見えた。


予想通り、ここの30頭あまりのライオン達も、昼寝ばかりしていた。
園内を走り回っている飼育員の乗ったジープが、昼寝中のライオンを
−オラオラ営業しろ
と言わんばかりに蹴散らしていた。
−ヘイヘイ分かりましたよダンナ
渋々立ち上がるライオンたち。
サービスのために渋滞している車の周りを闊歩する。

恐いだろーといわんばかりに、
ドアの直そばまで来られたライオンの迫力は、
テーマソングの「どうしよう」という感情がぴったりなほど強烈なもので、
何度も車のドアロックを確認してしまった。
社内ではまた、興奮気味に戦ったら勝てる勝てないの非生産的な会話をしていた。


その後、トラ、象、キリンと大きな動物がエリアごとに分けられて鑑賞する。


車の中にから動物を見ることで、
日常生活の中に突然猛獣達が現れたような感覚が生まれ、
通常の動物園とは違う動物の迫力を感じさせてくれた。


ただやはり、野生の姿は垣間見れないね、そりゃそうだ。


途中、シャコタンにした派手な車が段差で躓き、身動きが取れなくなっている
物悲しい光景を目にした。
富士サファリパークにはには車高の高い車で行きましょう。

富士サファリパーク
http://www.fujisafari.co.jp/