久々に映画紹介

近くのレンタルビデオショップが旧作半額のキャンペーンをやっていたので
いくつか借りてみてみた。

墨攻 [DVD]

墨攻 [DVD]

戦国時代の中国の戦争を描いた映画。
兼愛を説いた墨子の思想を受け継ぐ墨子家が小国を守るために最強の守りをほどこす。
主役の革離役をアンディ・ラウ、ヒロインをファン・ビンビンがやっている。
原作のマンガを読んでいたが、中々楽しめた。ヒロインのファン・ビンビンちゃんがかわいい。ファンになる。
中国のこの手の話では、ものすごい悪い施政者がよく登場する。
項羽と劉邦もそうだったし・・・


あと、刑罰が残酷。う〜ん、むごい。
レッド・クリフの予習として楽しめる。


ロード・オブ・ウォー [DVD]

ロード・オブ・ウォー [DVD]

ニコラス・ケイジ主演。国を問わず武器を売りまくる死の商人を描いた映画。
最近ニコラス・ケイジが外し気味だったから余り期待してなかったんだけど、
これは面白かった。


政権交代やクーデターなどで混乱している国から武器を個人で買い集め、
戦争をしている地域や侵略を狙う独裁者に売り飛ばす。
商材は戦争道具という究極のフリーランスの営業だ。


こういう仕事の存在は多少知っていたけど、
意外にフランクでビジネスライクなのに驚いた。
#映画だからかもしれないけど
マフィア映画とも違う、武器商人としての独裁者とのやり取りなど、非常に興味深かった。
やっぱり営業は商品に関する知識に強く、非常事態に的確に対応でき、顧客との納期を守る。
どの世界の営業でも基本はおんなじだ。


しかし、世界から戦争がなくならない理由が、この映画を見ると分かる。


ダイアナ妃が交通事故にあった後のエリザベス1世と英国王室の7日間を描いた事実に基づく映画。
あの事件は、ブレア前首相の就任の時期と丁度重なっており、国民の支持を集める労働党の若きリーダーと
伝統と格式の中に生きるるエリザベス1世のやり取りが上手く描かれている。
この映画は面白い。
さすがにアカデミー賞の主演女優賞を受賞しただけの作品だ。


王室と首相のやり取りを見て、英国は大人の国だと感じた。
伝統と格式ある王室が、現代にありうることの意味を正しく理解し、また、国民を理解しようとする女王の姿に心打たれる。
女王は、一生続けなくてはいけない、大変な仕事だと思う。


女王ヘレン・ミレンをはじめ、本人か?と見まごうほど
よく似た人を配役しており感心する。


菊池凛が助演女優賞にノミネートされたことも話題となった。
ロッコアメリカ、メキシコ、日本と物語が錯綜して関連してつながっていく。


それなりに楽しめたが、
物語からの距離が遠く、かといって、完全にリアリティを追求したものでもないので、
いささかつかみどころがない映画だった。


東京の場面では、今風の東京の若者が今風の遊びをしていて、
そこにある深い孤独と絶望の闇が、同じ東京にいる人間としてはひどく遠く感じた。
女子高生じゃないからか?そんな青春とは無縁だったからか?
世界から見える東京ってこんな感じなのかな。



ギリシャテルモピレーの戦いを描いた映画。
スパルタのレオニダス王が圧倒的な兵力を持つペルシャ軍に地形と知恵と強靭の肉体を武器に300人で立ち向かう。
史実を基にしたスペクタクル。


この映画はグラディエーターを意識しすぎだなぁ。
主人公はラッセル・クロウっぽいし、奥さん役もどことなく似ていて、家族構成も同じ。
途中、「あれ?」と思うようなグラディエーターそっくりなシーンが出てきて唸る。
戦闘シーンも長すぎて、全体のバランスが悪い。


この時代を描く映画だと、たまにとんでもない怪物みたいなのとか出てくるけど、
中西洋はあんなにオドロオドロシイ世界だったのかな?
女性の快楽を表現する演出も、冗談としか思えないようなエキゾチックさだ。
あと、対立するペルシャ軍のクセルクセス1世が
北斗の拳サウザー並の乗り物に乗ってくるのが印象的。
本当にあんなのに乗ってたのか?


スパルタのレオニダス王とその周辺の描き方に比べて、
ペルシャの周辺は化け物じみた書き方をされていて不公平感を感じた。


この映画をみて久しぶりにギリシャなどの古代の文明に興味がわいた。
長く書架の肥しになっているヘロドトス『歴史』にまた目を通してみよう。
この戦いの詳しい話はWikipediaにある。