今年の忘年会

声をかけられた忘年会にホイホイ参加の返事をしていたおかげで、
12月はアルコール漬けの虫みたいな生活を送っている。


忘年会で飲んでいると、
今年の年末は25日から休みを取る優雅なメンバーもちらほらいるようで、
そういった人達はあと数日で今年の業務にお別れして南の島なんぞに旅立っていく。
バカンスに行くらしい。
バカンスの効用は、ボーッとして何もしないことによって、
本人も忘れていた子供の頃の記憶など形而下の意識が顕在化し、
そのことでリフレッシュすることにあるそうだ。


バカンスをしたわけではないが、この間ふとしたことで突然昔の気分に戻る経験をした。
学生時代から愚かにもほぼ毎晩酒を飲む日々を送っていたわけだが、
30近くなるとさすがに体力の衰えは否めず、毎日の飲酒は体に堪えるようになった。
今月、3日ほど忘年会が開いたとき、休肝日とばかりに酒を控えてみた。


仕事を終えて家に帰り、夕食を食べ、シャワーを浴びて読書をして夜は早めに寝る。
そんな日々を送って3日目、
寝る前に本でも読もうと机についたその瞬間、
本当にふと自分の生活が会社から切り離され、
自宅と自分の部屋を中心にグルグルと回っているように感じた。
同時に高校生ぐらいの頃は毎日こういった感覚であったことに気づいた。


自分にある可能性を努力もなしに妄信していた頃の、
なんともすがすがしく懐かしい感覚だった。


考えてみると、
昔とは部屋も変わったが、
家に帰ってやること、寝る時間、起きる時間、食べているものなど、
高校生の頃の生活リズムをそのまま再現していた。


家にいながらでも、昔の気分に戻れるんだなぁ、と
お金をかけず、きれいな海も無いのにバカンスの効用に匹敵する
清々しい気分になった。