死の蔵書

死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

古本屋で安価に売られている稀少本を発掘し、高値で売る商売で生計を立てていた男が殺害される。
事件を担当した刑事は、被害者の事件前の行動を追っていくうちに、
古本を取り巻く何か不穏な空気に気づいていく。犯人は誰か・・・


名作として名高い作品。本好きの人にはたまらないらしい。


でも、それはおそらく初版本が数万、時には数十万で取引される文化を持つ人々にとってだと思う。
この話は米国が舞台だが、このような市場があることに非常に驚いた。
日本においても、漱石などの初版本が高値で取引されているのは知っているが、
例えば、今も存命の作家の初版本が数万円で取引されている例はあるのだろうか?


きっとあるのだろう、、、と思うけど。


作者自身が古書店主をやっていたらしく、物語の中に出てくる古書店の描写や、
稀少本に関する記載が真に迫る描写のされ方をしていた。